地球温暖化による異常気象現象にもっと関心を!

“ハリケーン・モンスター”(台風30号)がフィリピンレイテ島に上陸し、甚大な被害をもたらしました。米国のabc放送は、この台風を「モンスター」と表現したようです。何しろ瞬間風速は未だかつて経験のない90m/secに達し、風で吹き飛ばされ家屋や木々、加えて4mの高潮が押し寄せ、町や村の家屋を押し流しました。被災現場は、TVで拝見する限り、まさに日本における3.11の再来のような様相で、極めて強いショックを覚えたのは、私だけではなかったと思います。日本と違って発展途上国という経済的に弱い国における自然災害は、地域社会の仕組が不安定であることから、略奪や暴行など治安の悪化が表面化し、見たくない光景を見ることになってしまいました。国際的な効果的支援とは、シリアのような内戦がおこっているのではなのですから、見たくない光景の前に支援の手を差し伸べる手立てはなかったのか、考えさせられた災害の実態でした。

おりしも、「気候変動に関する政府間パネル」の会合CO19がポーランドで開催(2103/11/11)される直前に起こった災害でした。涙ながらに支援を訴えていたフィリピン人の姿は、印象的でした。このことが、地球温暖化阻止に向けた強いメッセージになったと、期待したいものです。日本のこの1年を振り返っても、5月に四国から始まった「猛暑」、その後、いたる所でかつて経験しなかった豪雨、突風、竜巻、巨大台風、こうしたことを踏まえ、日本の気象庁は過去に経験したことのない異常気象現象に対して、直ちに避難を求めるメッセージとして「特別警報」を新設しました。そうした矢先、伊豆大島に台風26号が直撃、24時間のうちに824㎜という豪雨が襲いました。明らかに「特部警報」が運用されるべき「これまでにない豪雨」であったにもかかわらず、この警報は使用されず大きなダメージを受けてしまいました。島という特別な地域であったが故に、「特別警報」を発令するに至らなかったと説明されていましが、どうも腑に落ちません。最後は人が決めることですが、意思決定者が意思決定をするに相応しい場所に居なかったことが、適切な判断を下せなかったために「特別警報」を出せなかったことから、人災の臭いも致します。所詮ルールは人が使うのですから、今回は、それが活かされなかった事例として、一つの教訓となった災害だったようにも思います。

ところで、824㎜/24hrの雨量がどれだけすごかったのか、現場を見れば一目瞭然ですが、頭の中で検証してみるのも意味があると思い、計算をしてみました。伊豆大島の面積は、約91㎞2です。この島に満遍なく824㎜(0.824m)の雨が降ったと想定します。そして、島を9.5㎞×9.5mの正方形の島だと仮定し、0.824m雨がどれだけの量になるか計算すると、9500m×9500m×0.824m=74,366,000m3となります。水1m3は1トンに相当しますから、24時間でおよそ7,440万トンの雨が降ったことになります。分かりやすくするために、20万トンのタンカー に換算すると372隻分の雨が24時間で、伊豆大島に降り注いだことになります。これでも実感がわかないでしょうが。およそ想像を絶する雨が降ったことは間違いないことで、その結果、山津波が発生したということでしょうか。

最近、地震については、より厳しいシミュレーションデータが公表され、その被害の甚大さを予測しています。一方、地球温暖化につては、IPCCの第5次評価報告書で、第4次報告書より一歩踏み込んだ、人為的要因の可能性を95%以上と発表しています。

今一度、この2013年の1年間を振り返ってみましょう。地球温暖化が原因と見られる異常気象現象(豪雨、猛暑、突風ならびに竜巻、そして巨大化した台風等)は、過去に類例を視ない頻度で発生しています。フィリピンのレイテ島に直撃した台風30号は11月8日でした。その後10日には日本列島でも東北地方で低気圧の発達により、大雨や突風が吹き荒れ、大きな被害が出ています。

TPPの交渉参加により、日本政府は新しい競争力のある農業経営の在り方や、また、農業の近代化に力を注ごうとしていますが、地球温暖化に伴う異常気象に対する取り組みについては、せいぜい気象庁の警戒警報の文言に「特別警報」が追加されたくらいで、頻発する異常気象と強大化するそれぞれの事象に対処するための対策が検討されているようには思われません。これは、大いに危惧するところです。日本政府は、レジリエンス(Resilience)を国家目標に掲げています。もともと自然の分野で使われている言葉のようでが、その意味は「強靭化」「復元力」といった意味を持つようです。気象庁が発表した「特別警報」だけでは、如何にも地球温暖化を意識したとは言えないのではないでしょうか。「特別警報」の発令は、直ちに避難行動をとるとの説明がありますが、高齢化社会を迎えた状況は、このことを難しくしています。お粗末なレジリエンス構想のようにしか感じられません。これでは、国家として無責任であると考えるのは、私だけでしょうか。3.11の教訓をもとに、新たな都市作り、特にスマートグリッドなどは、様々なインフラ条件が整っている都市再生を意識したテーマは豊富ですが、森林(山)、里山、河川、水田地帯、沿岸部等におけるレジリエンスは、意識されていないように思われてなりません。

アル・ゴア元米国副大統領が「不都合の真実」を発表したのは、今から7年目の2006年です。そしてIPCCが第4次評価報告書発表したのが翌年の2007年、同報告書には「明らかに地球温暖化は人為的な要素によってもたらされている可能性が大きい」と説明されています。これで、科学的評価報告を出したIPCCとアル・ゴア元米国大統領は、地球温暖化問題で2007年のノーベル平和賞を受賞しています。ゴア氏のプレゼンテーションでは、今日起こっている様々な異常気象現象を巧みに発表しています。世界の科学者が認めた「不都合の真実」から7年経ちました。状況は改善されたでしょうか、実態は改善されるどころか、全球の二酸化炭素の量は着実に増え続けています。2013年5月には、ハワイのマウナロア観測所でCO2濃度が400ppmを記録したと報じられました。ちなみに産業革命(18世紀)以前の大気中のCO2濃度は260ppm程度でした。

私たちは、地球温暖化による異常気象について、強く関心を持ち、温室効果ガス(GHG)の削減はもとより、異常気象によるダメージを可能な限り低く抑える方策を急ぎ見出す必要があります。そのための行動を直ちに起こす時代が到来したと考えるべきです。

建立谷學的希望和夢中国的諸位、対一起幸福的世界吧!

東北楽天ゴールデンイーグルスの優勝/「Resilient」を掲げ米国WSで優勝したレッドソックス/日本の安倍政権が掲げる強靭化国家「resilience」について:

日本野球の今シーズンは、東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズを制し優勝、復興途中の東北地域の人々に多大な喜びと勇気を与えました。スポーツの力が、こんなにも人々の心に強く訴えかけるものなのか、改めて強く感じた次第です。私は、楽天のファンではありませんが、田中将大投手の頑張りと大記録には、正直、感服いたしました。なお、楽天を優勝に導いたのは、優れた選手陣もさることながら、フロント陣の貢献、名将星野監督は別格として、特に球団社長である立花陽三氏がクローズアップされたのが印象的でした。同氏はラグビー界の人間だったようですが、米国野球界の名門ヤンキースから“ジョーンズ選手”(ホームランバッター)をスカウトし、楽天の4番バッターに据えたことが、楽天を大きく優勝に導いたと紹介されていました。監督やコーチを除いたフロント陣に対して、光が当てられたことはこれまでにない珍しい出来事だったように思います。一方、野球の本拠地米国では、ワールドシリーズ(WS)を制したのは、ボストン・レッドソックスでした。オーナーはジョン・ヘンリー(相場師として金持ちになり、チームを所有したと紹介されている)と言い、前年最下位のレッドソックスを立て直すために、目標に「resilient」(強靭化や回復すると言った意味)掲げ、それを見事に果たしました。その立役者の中に日本人の田沢や上原選手が入っていたことは、また嬉しいニュースでした。

さて、日本の安倍政権は、強靭化(resilience)を国家目標に掲げ昨年の12月にスタートし、かれこれ1年近くになろうとしています。楽天やレッドソックスのように華々しい成果はありませが、株価等を考えると少なくとも民主党政権よりはましな滑り出しを見せているように思います。しかし、行く手には高いハードルが待ち受けています。何しろこの国は、約1,000兆円(一人当たり約780万円)と言う巨額な借金を抱えており、財政的に極めて厳しい国家運営が強いられています。1年や2年で一気に回復するといった訳には参りません。幸い、9月に2020年の東京オリンピック招致が決定しました。7年後ですが、それまではオリンピック景気に沸く機会に恵まれることを考えると、少しは借金の改善が図られるのではないか、そう期待しています。仮に安倍政権が10年間続き、その過程でのレジリエンスを考えた時、オリンピックは強力な事業案件であることは間違いありません。日本は、第二次世界大戦後、目覚ましい経済発展を遂げ、一時は「東洋の奇跡」と呼ばれていた時期があります。ここで、申し上げておきたい点があります。2013年10月10日、日本で「水俣条約」が採択されました。目覚ましい経済発展の過程で引き起こした痛ましい人災(公害)に対して、57年の歳月が経って、ようやく世界規模で水銀規制の合意を見ました。日本のレジリエンスのいま一つの機会は、お隣中国の環境汚染問題と、経済格差是正に、支援の手を差し伸べることです。これが果たせるならは、アジアは世界で最も豊かで、安全・安心な国家群に生まれ変わる可能性が出てきます。人命を大切にするアジア国家群の形成に、日本が一役も二役も買う。これが次代の求めている姿だと私は考えます。

地球温暖化対策に配慮した日本の農業の在り方を考える

-地球温暖化対策に配慮した日本の農業の在り方を考える-

-露地栽培を補完する完全制御型木造植物工場建設の時代到来-

  1. はじめに(温暖化に伴う異常気象が頻発)

2013年9月中旬の台風18号は多大な被害をもたらし、日本政府はこの災害を「激甚災害」に指定した。同台風による被害状況は未だ詳細には明らかにされていないが、農地や農業用水路等の農業関連の被害は、京都府と滋賀県で10億円以上になり、全国では42億円を超える見込みであることが、9月27日のNHKニュースで紹介された。

ところで、日本における2013年度の初夏から初秋にかけて、長雨、豪雨、気温上昇、強風(竜巻)等の異常気象が頻発した。それをまとめたのが表-1(出典:日本経済新聞2013年9月3日号)である。

表-1 2013年5月~9月にかけて発生した異常気象

月 日

異常気象の内容

5月24日

  • 大分県日田市で今年全国初の猛暑日

6月13日

  • 33地点/927地点で猛暑日。6月最多

7月8日

  • 山梨県甲州市などで今年初の38度超を記録

9日

  • 〃甲州市で今年初の39度超を記録

10日

  • 猛暑日が今年初の100地点を超えた

11日

  • 140地点で猛暑日。7月最多を記録

28日

  • 山口、島根両県で「特別警報」(※)相当の大雨

8月9日

  • 秋田、岩手両県で特別警報相当の大雨。猛暑日が今年初の200地点越え

10日

  • 甲府市と高知県四万十市で40.7度。40度超えは6年ぶり

11日

  • 297地点で猛暑日。今年最多

12日

  • 四万十市で国内観測史上最高の41.0度を記録

13日

  • 四万十市で4日間連続の40度超え

16日

  • 754地点で真夏日。年度最多

24日

  • 島根県西部で特別警報相当の大雨

26日

  • 53日ぶりに猛暑日ゼロ

9月2日

  • 埼玉県越谷市、千葉県野田市で竜巻が発生

4日

  • 徳島市、名古屋市、栃木県矢板市で特別警報相当の大雨。

16日

  • 台風18号愛知県豊橋市に上陸

   ※:気象庁は、2013年8月30日(金)に「特別警報」の運用を開始した。

これまで、大雨、地震、津波、高潮などにより重大な災害の起こるおそれがある時に、警報を発表して警戒を呼びかけていたが、今後は、この警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波等が予想され、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、新たに「特別警報」を発表し、最大限の警戒を呼びかけることになった。

  以上のような頻発する異常気象現象について、NHKをはじめ日本の主だったマスコミは、これらの要因が温暖化によるものであるとの説明に極めて慎重で、最近になってようやく発せられるようになってきたと感じたのは、私だけではないと考える。

  それもそのはず、9月28日の日経朝刊の第1面に『温暖化「極端な気象」頻発』の見出しに続き、第3面には27日にストックホルムで開かれていた国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の会合で、第5次評価報告書に盛り込む研究成果についての協議が行われた。その結果、次の①~⑤が評価報告書に取り上げられることが決定され、2013年10月1日にリリースされた。

  1.  温暖化は人間活動に起因する可能性が95%以上に達する
  2. 温室効果ガスの濃度は少なくとも最近80万年で前例のない水準に達した(2013年5月にハワイのマウナロア観測所で、CO2濃度が400ppmを記録)
  3.   二酸化炭素濃度は産業革命から40%増加した
  4.  今世紀末の平均気温が0.3~4.8℃上昇
  5.  今世紀末までに海面が26~82cm上昇

この第5次評価報告書は、見方を変えれば、このままでは“温暖化地獄”は避けられない状況にあることを示唆するものである。

  いみじくも日本において、この1年間で起こった様々な自然災害(猛暑、豪雨、竜巻、強大化し台風等)は、明らかに温暖化がもたらした事象であったと言えよう。以下、論文を添付したので参照されたい。地球温暖化と植物向上の役割131014修正


 

琵琶湖博物館の見学と世界の湖沼における水問題

10月4日、琵琶湖博物館の見学と滋賀大学環境総合研究センター中村特任教授による「世界の湖沼流域ガバナンスの強化に向けて」を受講:以下、復習を兼ねて少しメモってみした。写真は、水族企画展示室ビワマス?の魚群です。博物館の展示内容は非常にきめ細かく、大人も子供もとても勉強になる良くできた施設だと感じました。琵琶湖は、関西方面の約1,200万人の水瓶で、高度経済成長期に深刻な水質汚染に見舞われ、1977年には淡水赤潮(黄色鞭毛藻ウログレナアメリカーナ)が大発生。2年後の1979年に琵琶湖富栄養化防止条例(主にリン、窒素の排出規制)を制定し、水質改善に乗り出し、今日では見違えるように良くなっています。博物館には小学生が社会見学を兼ねた環境学習目的でしょうか、大勢が来館しとても賑やかでした。子供達には水が生物の多様性維持に不可欠な環境資源であることを実感してもえればと思いつつ、甲高い声が響く館内を見て回りました。私たちが許される観覧時間は1時間と短く消化不良でしたが、推奨に値する施設だと思いました。この後、滋賀大学の中村特任教授からは、世界の発展途上国の主な水源である湖沼が深刻な汚染と水不足に陥っている状況のレクチャーを受けた。

事例①インドのプシュカル湖(ヒンズー教の聖地)では、沐浴など宗教的儀式で使用する人工湖の水が干上がってしまい、応急的にプールを作り対応している実態を。

事例②マレーシアンのチニ湖ではパパン川水系とチニ湖を結ぶ間に堰を設けたことにより、流入する土砂で水質が悪化、蓮の群生が消滅するなど水質悪化が深刻となっている。

事例③フィリピンのケースでは、セブンレークス湖の魚の養殖よる水質の悪化、また、ミンダナオ島のラナオ湖については、マラウイ市政府とイスラム過激派とがラナオ湖からイリガン湾に注ぐアグアス川流域の水資源開発(水力発電等)めぐり紛争が起きている。うがった見方かも知れないが、この紛争の要因にはイスラムと政府組織との対立ように思われる。

事例④:ケニアのフラミンゴで有名なナクル湖の問題は、急速な都市化により森林伐採と破壊に伴う、汚濁水ならびに都市下水(河川に投棄されたゴミ問題を含む)が湖へ流入、下水処理施設を作っても、施設された下水道管の破損等により汚水の流入が止まらず、湖の水量の減少とともに汚染の深刻度が増すばかりの状況にある。ちなみに、下水道施設はJICAプロジェクトで造られたもので、日本サイドとしては、相手国の持つ様々な事情により、これ以上は関わりたくない、との説明を受けた。ただし、研究者として意識は別であるとの理があった。

世界における水問題については、スティーブ・ソロモン著の「水が世界を支配する」(Water The Epic Struggle for Wealth, Power, and Civilization)に詳しい。

「気候変動」「温暖化」「水」「食糧」は、私達の世界が抱える4大課題である。地球資源の恵みを、世界の人々が等しく受けることは現実的には難しいと説明されている。特に、水資源の確保は極めて難しさが伴っています。開発途上国の識字率の問題、宗教や思想的な対立は難しさを極めている。こうした解決手法の形として「サブナショナル(副・国家)パワー」(「2030年世界はこう変わる」より)の存在に注目が集まっている。今日では国家の機能や国家がカバーできない範疇の分野について、下位的・副次的な組織(NGO、NPO等)が成長を見せ、貢献度合いが増しつつある。こうした組織は、組織の社会的責任(ISO26000)について、深い理解を高め、様々なガバナンス(例えば、水をめぐっては流域ガバナンスが強調されている)、コンプライアンス、地域社会への参画、貧困・飢餓の撲滅、またマイクロファイナンスなどに見る女性の社会進出支援など、高潔性を持って取り組む団体も出てきている。一方、ニコラス・ジャクソン著「タックスヘイブンの闇」では、先進国が開発途上国における表向きの1ドルの支援は、アンダーテーブルでは10ドルを引き出すという援助が行われ、開発途上国が貧困から脱出できないおきな要因として紹介している。

世界の多くの開発途上国で起こっている複雑で深刻な問題は、当該国家がその解決を果たすことが難しいことから、「サブナショナル・パワー」の存在を期待しているようだ。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団、アムネスティ・インターナショナル(AI)、セーブ・ザ・チルドレン(SC)、国境なき医師団、国際連合児童基金(ユニセフ)、世界自然保護基金(WWF)等々、国連憲章に基づくNGO、そうでないNGOと、少なくとも世界で100以上の組織が存在する。

今回の琵琶湖博物館でのレクチャーは、開発途上国における水問題の解決の難しさの一端を知る良い機会であった。中村特任教授も述べていたが、研究者としての関わりには限界があり、どうしても政府や民間ならびにNGO、NPO組織等の協力なしには、成果を作り出すこが難しいとの感想を述べていた。

中国「空の渋滞」経済に影、損失、年に8,000億円試算(日本経済新聞:2013/09/18)/中国北京市民の健康被害補償額は、軽く1兆円を超す

中国「空の渋滞」経済に影、損失、年に8,000億円試算(日本経済新聞:2013/09/18):中国の経済発展により、国内外のから航空機の乗り入れが増えたことで、発着の遅れが続出。フライトスタッツ(Flight Stats)社によれば、北京首都国際空港の国内線、国際線をあわせた出発便のうち定期通りに飛んだのは全体の28%。こうした状況は上海の浦東国際空港も同様で、同空港では27%と、世界の主要空港でワースト1、2を北京と上海で分けあっているのが現状だ。原因は、便数の増加もさることながら、大気汚染による視界不良も遅れの大きな要因となっている。中国民用航空局の発表では、2012年度における発着遅延理由の順位は、航空会社の業務遅れが39%でトップ、2番目は航空官制によるものが25%、次いで、大気汚染や視界不良が21%となっている。中国における大気汚染の深刻さは、すでにYouTubeで紹介した通り、北京、上海のみならず広州、西安等、他の主だった都市ならびにその周辺も同様である。経済的な損失が年間8,000億円にも上ると紹介されているが、人への健康被害については全く触れていない。

中国北京市民の健康被害補償額は、軽く1兆円を超す:新唐人テレビ日本(NTD Japanese)

チャイナニュースによれば、中国の大気汚染はロサンゼルス型と発表している。汚染物質にはPM2.5のみならず、光化学オキシダントベンツピレン、亜硫酸化ガス(SO2)や二酸化窒素(NO2)など、極めて毒性の強い化学物質が含まれている。中国には、日本のように公害による人の健康被害を補償する制度、すなわち「公害健康被害補償法」などの法律が未整備であるため、治療は自己負担となっている。

北京市の大気汚染問題を、日本の四日市公害]と比較すると次のようになる。四日市市の人口は約30万人、健康被害補償法に基づき支払った総額は211億円(1990年、環境庁若手官僚よる「地球環境経済研究会」が試算)、一方、北京市の人口は約2,000万人、仮に人口比で同市の健康被害補償額を試算すると1兆4千億円にも達する。大気汚染被害の実態は北京市にとどまらず、周辺の河北省や天津市、上海市ならびにその周辺、広州市とその周辺、西安市とその周辺等、これら地域にも公害健康被害補償が仮に適用されるとした場合、ざっと見積もっても数兆円に達するものと思われる。空港における飛行機の発着の遅れで生じる被害額の比ではないことは容易に理解できよう。

もっと始末の悪いことには、中国が抱える公害問題は大気汚染だけではなく、残る典型4公害(水質汚濁、土壌汚染、悪臭、騒音・振動)も深刻で、かつて日本が経験した激甚公害(水俣病]イタイイタイ病第二水俣病川崎公害尼崎大気汚染公害PCB汚染、名古屋新幹線訴訟、等々)に伴い支払った健康被害補償額を、中国に適応した場合、想定される汚染の規模から10~20兆円は下らないと考える。北京、上海空港が語る大気汚染による運航の遅れの影には、こうした厳しい課題が見えてくる。一日も早く日中関係を改善し、日本の持てる力をフル出動させ、中国の激甚公害撲滅を願うのは、私だけではないであろう。


 

21世紀後半以降、私たちの孫の代には気候変動の自己増幅が

大変な被害をもたらした台風18号、横浜の午後7時の夜空、眩いばかりの月の光、まさに台風一過というのでしょうか、でもこれを見て楽しんでいる場合ではありません。今年の異常気象について、ざっと振り返ってみました(出典:日本経済新聞2013年9月3日号)。

  1. 5月24日:大分県日田市で猛暑日(摂氏35℃以上)を記録
  2. 6月13日:気象観測地点のうち33地点で猛暑日、6月としては過去最多
  3. 7月8日:山梨県甲州市で38℃強を記録
  4. 7月9日:同甲州市で今年初の39℃強を記録
  5. 7月10日:気象観測地点のうち100地点で猛暑日
  6. 7月11日:140地点で猛暑日
  7. 7月28日:山口、島根県で特別警戒相当大雨(これまでに記録したことのない大雨の意)
  8. 8月9日:秋田、岩手両県で特別警戒相当の大雨/加えて、200地点で猛暑日
  9. 8月10日:甲府市と高知県四万十市で40.7℃を記録(40℃超は6年ぶり)
  10. 8月11日:297地点で猛暑日
  11. 8月12日:四万十市で41.0℃を記録(観測史上最高)
  12. 8月13日:四万十市で4日連続40℃超え
  13. 8月16日:754地点で真夏日(30℃以上)を記録
  14. 8月24日:島根県西部で特別警戒相当の雨
  15. 8月26日:53日ぶりに猛暑日ゼロ
  16. 9月2日:埼玉県越谷市と千葉県野田市で竜巻
  17. 9月4日:徳島市、名古屋市80~100㎜/hrの雨(特別警戒相当の雨)/ 栃木県矢板市で竜巻
  18. 9月16日:台風18号が紀伊半島から東海、関東そして東北、北海道で温帯低気圧に/景勝地京都嵐山の前を流れる桂川が反乱、また福知山市の由良川も氾濫し      市内ほぼ全域に避難勧告(特別警戒相当大雨)

如何でしょうか、いずれもその被害の大きさに驚きです。かつて経験のないほどの大雨、その水の威力になすすべもなく、被害をただ茫然と見つめなければならない状況、誰がこんな事態を予測したでしょうか。

多くの皆さんは、今から41年前の1972年に“ローマクラブ”が発表した「の限界」はご存知だと思います。その当時の執筆者の一人であるヨルゲン・ランダースは、「成長の限界」から40年が経った2012年に、「2052」(今後40年のグローバル予測)を発表しました。書籍の冒頭に、何故、この時期に発表したのか、その一つにこう書かれています。「しきりに未来について心配していた10年ほど前、私は、人類が直面している難問の大半は解決できるが、少なくとも現時点では、人類は何らかの手立てを打つつもりがないのだと確信した。だからと言って世界が終わるわけではないが、地球の未来はあまり明るいものではないことを、それは意味していた。だが、そう悟ったことによって、むしろ苦悩は和らいだ。つまり私の自らの敗北を受け入れたのである。」2052、p.21より。

私は、読み始めたばかりで、現段階では、内容についてもっと立ち入って説明できる状況にはありませんが、「成長の限界」の発表から40年間、地球上で起こる様々な不都合について、人類は、予防措置はもとより、すでに起こっている事象への対処すら真剣に取組んでこなかった。21世紀末までには、まだ時間がある。ならば、2012年からの次の40年間の処方箋に加え、更なる強い警鐘を鳴らすというのが、この本の趣旨だと、私は捉えました。同書のp.474に「人間が地球の限界に適応するプロセスは既に始まっている。これから40年間はエコロジカル・フットプリントを抑えようとする取り組みが続くだろう。人口とGDPの伸びは鈍化するが、それは数々の取組が功を奏したというよりむしろ、都市化が進み出生率が低下し、また、社会不安のせいで生産性が低下し、世界全体の20億人にも及ぶ貧困層が依然として貧しさから抜け出せないでいることからもたらす結果である。一方、資源効率は飛躍的に向上し、気候に優しい解決策も目覚ましい進化を遂げる。そして、人々の価値観は、所得を増やすことより、個人の幸せを重んじる方向へとシフトする。」…「それでも…人間の対応は時期を逸したと言わざるを得ない。未来を決めるカギとなるのは、人間活動に由来する温室効果ガスの排出量である。」…そして、最後に「手に負えなくなる可能性が極めて高いのだ」と締めくくっています。

2013年、5月から始まった異常気象の数々、誰もが地球温暖化が大きく影響していることを認識し始めました。ヨルゲン・ランダースによれば、これが遅いと指摘している。異常気象は、日本のみならずヨーロッパもロシアも、インドでも中国でも、そしてカナダや米国でも発生しています。

すでに温室効果ガスの削減では間に合わず、異常気象に備えた対策を急ぐべきだという議論に変わってきています。日本はどうでしょうか、この1年間、こんなにも異常気象によるダメージを受けながら、これらに対処する対策を打ち出しているでしょうか。ようやく平成25年8月に、気象庁は尋常でない大雨や津波等に対して、従来の「特別警戒」からランクを上げた「特別警報」基準を明らかにしました。一歩前進と言えるのかもしれません。

特別警報が出ることで、避難に対する迅速な対応は取りやすくなりますが、防災に向けた対策の視点では全くと言いてよいほど明らかにされていないのが実態です。人命救助を第一に、でも生活のための家や仕事場、畑などの財産をどう守るのか、これらの対策手法の構築が急がれます。


[1] 日本経済新聞朝刊2013/09/03

深刻な大気汚染に見舞われている中国古代の都、長安(西安市)

秦王朝と前漢までのメモ:戦国時代(紀元前241~221年)、秦王政・楚・斉の五国を制し、中国の統一を成し遂げ、最初の皇帝(始皇帝)となりましたが、11年後の紀元前210年に、巡幸中に49歳で死去しています。始皇帝の死因は、不老不死の薬として服用していた水銀による中毒死の可能性が高いようです。始皇帝が没した数年間は、劉邦と項羽との小競り合いが続き、劉邦が項羽を打ち負かし、前漢の初代皇帝(202~195年)高祖となります。前漢と後漢を合わせ400年も続いた背景には、秦時代の制度、例えば、度量衡を始め文字の統一、郡県制、さらには北の匈奴の脅威に対する防衛(主に強力な防衛軍の組織化と長城建設)等、つまり政治、官制、法制、経済、文化を引き継いだことによると言われています。したがって、漢の歴代の皇帝は、秦始皇帝をモデルに国を統治する努力をしたことが長期政権を維持できた背景だと言われています。中でも、初代高祖のひ孫に当たる漢の武帝、すなわち第7代目の皇帝劉鉄(紀元前156‐87年)は、69歳と長生きをしています。劉徹は、始皇帝が残した偉業を超えたいという強い願望の持ち主で、始皇帝が果たせなかった、匈奴の脅威を払いのけた実績があります。騎馬戦には騎馬戦を、と優れた将軍を見出すことでこれを実現しています。しかし、自分の老いと優れた将軍を失った後は、再び北からの脅威にさらされることになります。この漢の武帝の時代に太史令に任じられた司馬遷がおり、司馬遷は架空の人物と言われる黄帝(五帝の一人で農業の神様的存在≒五帝伝説、聖人としての性格を持つ)から前漢時代の皇帝、武帝までの歴史を「史記」として書き残しています。

深刻さを増す西安の大気汚染:西安市は中国陝西(センセイ)省の省都であり、前述した通り、中国古代の諸王朝が都とし、中でも、中国を初めて統一した秦の始皇帝の陵があり、始皇帝の陵の一部である兵馬俑(1987年に発掘された世界遺産)はあまりにも有名です。西安はかつて長安と呼ばれ、古代より政治の中心地として西周からからの都城と十数の王朝の都として千年の歴史を有す古都でもあります。また、シルクロードの玄関口としても有名です。その西安市の今日は、他の中国の主だった都市で見られる大気汚染問題が極めて深刻な状況にあることを、今回の旅で実感しました。前述した通り、長安を都城とした十数の王朝は、始皇帝の時代から北の匈奴や金からの侵入を阻止するために、万里の長城を営々と作り続け、その長さは、当初、六千キロメートルに及ぶと言われていましたが、最近の調査研究によると、なんと2万キロメートルにも達していたようです。現在の長城は、一部は自然崩壊で失われ、また、煉瓦を家の建築材料として盗み取られ、失った量も少なくないと言われています。なんとも中国らしい話です。ここで注目すべきことは、この長城の建設に使われた煉瓦は一部、天日干しの煉瓦も使われたようですが、大半は粘土を焼き固めて作った煉瓦が使用されています。そして、この煉瓦を作るために、多量の森林資源が切り倒され燃料に使われ、それによって広大な森林資源が失われたようです。加えて、中国はすでに紀元前200年には、金属製錬技術を有しており、農具や武具あるいは装飾品などが鉄や青銅で造られ、また、貨幣も鋳造されています。これら製錬のために使用された燃料は同様に木材が主流で、この結果、豊かだった森林資源が失われたようです。なお、こうした金属の加工技術や貨幣経済における物の取引には、物の重さや長さを計測する、いわゆる秤(はかり)や物差しが必要です。つまり前述した度量衡制度が、二千二百年前の始皇帝時代に導入されていたと言うのですから、中国が単に永い歴史を抱えていると言うだけでなく、レベルの高い技術ならびに経済社会システムを抱えていたことは驚きです。

砂漠化した黄土高原の背景:ところが、文明社会を守るために建設された長城の煉瓦、加えて武具の製造や貨幣の鋳造等の燃料に多量の木材資源を利用したことにより、豊富な森林資源を抱えていた黄河上流ならびに流域が裸の地に変わってしまった。文明の維持を図らんとした結果があだとなり、緑豊かな大地を今日の黄土高原という砂漠地帯に変えてしまったことは皮肉なものです。こうした状態に至らしめた姿を、「木を切って滅んだ文明」と表現されているようです。過去、栄華を誇った多くの文明が、自然資源を浪費した結果(森林を失うことは水資源も失う、水の不足は穀物など食糧生産も立ち行かなくなる)、滅んだことは多くの人の一致した見方です。

いつか通った道を踏襲している現在の中国実情:私はつい先日、8月24~27日にかけて「北京」と「西安」に行ってまいりました。かつては頻繁に通った中国ですが、最近はとんとご無沙汰です。しかし、娘の仕事の勤務地が4月から北京に変わったこともあって、陣中見舞いも兼ねて「北京」に、そして娘の案内で「西安」に足を延ばし大気汚染の実情を見て参りました。今回の中国の旅は、特に、今年の冬(2013年2、3月)、に北京で顕在化したPM2.5による汚染問題。日本にも越境汚染してきたことから、日本中が大騒ぎになったことは記憶に新しいところです。大方の見方では夏には改善するであろうと言うことでしたが、改善されるどころか強い日差しの下、光化学反応によるオキシダントの出現で、深刻の度合いが増しているのが実際です。8月4日に放映されたBSドキュメンタリーWAVE「中国PM2.5と戦う」を、自ら体験することができました。娘の陣中見舞いを兼ねて「一人公害視察」という目的を持って、中国入りしましたが、果たして最初に洗礼を受けたのが、羽田を飛び立ってから2時間半を過ぎた頃、遼東半島から渤海湾に侵入、そして天津上空に差し掛かったころから、飛行機は突然どす黒い雲(スモッグ)に突っ込んでいき、約30分間近くスモッグの中を飛行しました。その後、北京空港に近づいた時には、視界は改善されたものの、それでも黄色の霞がかった状態でした。天津上空で経験した視界不良のどす黒い雲(スモッグ)は、只者ではないと実感しました。課題は、北京だけが問題ではなく北京を取り巻く、天津や河北省に重大な汚染源があり、それらは殆ど対策が取れていなのではないかと思ったくらいです。誠に残念なことに、往路の渤海湾から天津、そして北京の空を写真に治めることができず。その後は強く反省し、スマホ、デジカメ、携帯ビデオを肌身離さず、これと思われるタイミングで写真を撮りまくりました。

スモッグに煙る西安空港

写真-1 スモッグに煙る西安空港

写真-1は、8月25日の西安到着後の西安空港の空、

秦始皇帝陵博物館から麗山を臨む

写真-2 秦始皇帝陵博物館から麗山を臨む

写真-2は、始皇帝陵博物館広場から麗山(リサン)の山並みを撮影したものです。

スモッグで煙る西安市内

写真3 スモッグで煙る西安市内

写真-3は、西安の宿泊所から都心に向って撮影したものです。

黒っぽく赤く見える雲はスモッグの塊

写真-4 黒っぽく赤く見える雲はスモッグの塊

写真-4は、8月26日夕刻、西安空港から飛び立って15分後に眼下にした雲の景色です。雲がどす黒く赤っぽく見えるのが分かりますが、まさに濃厚なスモッグです。飛行機の窓を隔てて不気味な暗さに、大気汚染レベルが如何にひどい状況にあるか、まさに肌感覚で知ることができました。幸い、飛行機という防護服を着ての体験でしたが、これが地上にも降り注いでいると想像すると、とんでもないことが起こっていることは容易に想像されます。北京の科学院の関係者は、これらはロスアンゼルス型のスモッグであり、人間に大きくダメージを与える有機化学物質を確認したと報道しています。おそらく、光化学オキシダントや硝酸塩、硫酸塩、さらにベンツピレンや重金属等も多く含まれ、人体に対して甚大な被害をもたらしているものと思われます。

日本では、こうした状況をかつて「激甚公害」と呼んでいましたが、まさに中国はその激甚公害の真只中と言えます。日本のみならず世界がこの状況に対して、対策の手を差し伸べなければ、中国は公害で破たんをきたす恐れがあります

 

北京の三大名物の一つ「北京咳」について

中国の高官(上層部)は、水から食べ物に至るまで、汚染されていない選りすぐりのものが特別供給(特供という)されているようです。一方、一般市民は、汚染された水や食べ物を口に入れざるを得ません。そういう意味で、一般市民は、政府の高官と比べ食の安全・安心という点で極めて大きな差別を受けていることになります。北京の大気汚染、中国政府は当初、視界の悪いのは霧によるものだと報道していたようですが、北京の米国大使館が独自に観測していたPM2.5の値を発表したものですから、一気にPM2.5による汚染問題に火が付いた格好になっています。特に、1月の26日間で、驚異的な観測値(最高値で700μg/m3以上)を記録しています。この深刻な大気汚染が原因で、北京市民の多くが気管支疾患を訴えるようになり、これが北京咳」と呼ばれ、北京の三大名物の一つに数えられるようになりました。ちなみに、残りの二大名物は「京劇」と「北京ダック」です。中国通の皆さんなら、中国人がブラックユーモアを好むのはお分かりと思います。

ところで、北京は深刻な大気汚染に見舞われています。でも、さすがに特供できない空気が汚染されていることに対して、北京市民はめげずに「これでわれわれが習近平や李克強といった最高指導者と平等になった」と、冗談を言っていると呉軍華氏(週刊ダ週刊ダイヤモンド2013/04/13)は紹介しています。さらに、呉氏は、深刻化する環境破壊に対する人々の怒りと無力感が漂う一方、習近平・李克強指導部への強い期待が感じ取れるとも書いています。なお、中国の石炭消費量は、世界の46%(34.5億トン/2011年)を占めています。2008年までは石炭の輸出国であったの中国が、09年から輸入国に変わり、輸入量も12年には2.9億トンと急増しています。エネルギーの70%以上を石炭に依存している中国の大気汚染問題、短期的に解決することは極めて難しそうです。一日も早く日中関係の改善を図り、日本が誇る公害防止技術とノウハウで中国の環境改善を図ることを願うばかりです。

 

On the 08/04/2013 BS documentary WAVE of “China’s fight with PM2.5“

The PM2.5 problem in Beijing has started drawing public attention since the US embassy in China introduced the actual pollution condition on internet in the fall of 2012.  In response, the Beijing government started PM2.5 air quality monitoring at 35 sites over the city in January 2013.  In addition, the environmental standard is announced in the form of 6 levels of the air quality index (API) for PM2.5.  This API- based standard will be enforced throughout the entire China in 2016.  The cleanest level is displayed in “green” color, whose API ranges from 0 to 50 and the corresponding concentration is 0-35μg/m3 in daily average.  The dirtiest level is displayed in “reddish brown”, meaning very severe air pollution.  The corresponding values are 301-500 in API and 250-500 μg/m3 in concentration.  The medium level is displayed in “red” color with the corresponding values of 151-200 in API and 115-150μg/m3 in concentration.

The above API designation method is based on Air Quality Index which has long been used in the US.  China’s interpretation for health implication, however, is relaxed in daily average PM2.5 concentration, despite the fact of using the same API value.  The “red” color in China indicates “moderate pollution” while in the US it does “hazardous to health” which is more explicit for the health effect.  Both countries use similar description for API’s health implications.  China’s description tends to be more modest.  For example, the corresponding PM2.5 concentration for “red” is 115-150 μg/m3 in China while in the US it is 65-150 μg/m3.  The lower limit is obviously more severe in the US.  This API display has a merit in that it can be displayed spatially over the map.  For me, however, the real time display of hourly measured concentrations at 35 air monitoring stations over the city appears more informative for the citizens to take a precautionary measure against the air pollution.

This documentary program tells that PM2.5 air pollution is not limited to winter time and is pretty severe in summer time as well.  The program showed that on July 19, 2013, the number of monitoring stations exceeded 150 in API is 32 out of 35 stations in the city, amounting 91% of the stations.  The program was made from the jointly collected material by NGO entitled “Darwin Environmental Protection Laboratory” and China National TV.  The NGO spokesman, Ms. He, (Ph.D. in Environmental Science, Beijing University) says that 600 million people accounting for 46% of China’s population are already subjected to some health hazard from PM2.5 pollution.  The particularly polluted regions are Beijing and its surrounding area (Hebei Province, City of Tianjin), Yangtze River delta, and Zhu Jiang delta.  These three regions account for one forth of the whole China.

In the above program, Ms. He visited many polluted locations and conducted a simplified measurement.  It was impressive that her measurement indicated 184 μg/m3 near a power plant, while in construction site and in residential area, the measurement did 275 and 237 μg/m3, respectively.  These values exhibit vividly that “medium pollution” and “severe pollution” in API prevailed.  The emission sources of PM2.5 are said to be brick factory, numerous barbecue stands in the city, and residential coal burning in the city suburbs.  The program broadcasted the picture of her surprised moment when her measurement instrument recorded 2000 μg/m3 right next to a barbecue stand.  In the relatively poor homes in the suburbs still use high sulfur coal for the heating source of cooking and space heating.  This means that they are exposed to sulfur dioxide as well as PM2.5, implying the health hazard from both pollutants.

As to brick factories, 169 factories were forced to close in one week and the people worked there lost their jobs, creating a new social problem.  Ms. He was pleading that the air pollution is extremely bad as exemplified by the many hazy days in summer.  In responding to these pollution conditions, the China’s central government announced the allocation of 5 trillion Yen equivalent, 30% reduction of major facilities burning coal by the end of 2014, and strengthening the exposure of illegal operation of factories by the year 2015, which will lead to the closure of as many as 1200 factories.

The documentary program also reported that the Beijing government set up a pollution call center and handled the gripes from the citizens, and that the song “Beijing-Beijing” was arranged to a smog parody which is sang widely as the song appealing the prevailing predicament of Beijing smog.

In the future, I would like to challenge the institutional difference in handling the environmental problems between China and Japan, focusing such issues of the crime and the lawsuit in environmental pollution, and the compensation for health impairment.

Translated into English by Ph.D. Y. Horie of  the Green Blue Corporation’s Adviser

毛糸のカギ針編み珊瑚礁と地球温暖化への取組み

マーガレット・ワーサイム(Margaret Wertheim)のTED (Technical Entertainment Design)プレゼンテーションを見て

珊瑚と かぎ針編みに見る美しき数学の世界(The beautiful math of coral)の概要:自然界で見られる“ひだ”、例えば珊瑚の複雑な形状や野菜のレタス等の“ひだ”のような曲線について、数学的(ユークリッド幾何学一般相対性理論)に解き明かすことが極めて難しい。これを見事に作り出すことを可能にしたのが“カギ針編み”で、これに注目し、様々な珊瑚礁を再現することを妹とともに3年前半(2009年を起点)から始めた。これら成果を関係者に紹介したところ、シカゴの“アンディーウォーホル美術館”が280m2(84坪)の空間を提供するので、カギ針編みの珊瑚礁を展示してはとのオファーがあった。テーマは、「地球温暖化とサンゴ礁」で、二つ返事で受け入れたが、84坪もの空間をカギ針編みの珊瑚礁で埋め尽くすことが如何に大変な作業であるか、妹から厳しく言われたものの、チャレンジすることを決めた。周知の通り、珊瑚は海水温が高くなると白化して死滅してしまう。赤、青、黄色と鮮やかな珊瑚に加え、白くなった珊瑚もカギ針編みで制作した。本プロジェクトは、多くの人々の協力のもと実現した。本TEDプレゼンテーションフィルムは、2009年2月リリースされたもので、マーガレット姉妹がカギ針編みで珊瑚作り始めた時期は、丁度、アル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」(2007年7月)が発表された時期と重なる。その意味で、地球温暖化への関心が極めて高かった背景もあったように思われるが、それにしても科学者(数学者)であるマーガレット・ワーサイム氏の取組みは、極めてユニークな取組みであると感じた。