北京のPM2.5の発生源は設備の悪い発電所等による

中国が2009年に石炭の輸入国に変わり、なんと発電の78.9%が石炭火力に依存しています。加えて、冬場は一般家庭でも石炭が利用されます。石炭燃焼に伴い大気中に放出される浮遊粒子状物質のうち10ミクロン以下の粒子の2 /3 は、いわゆる”PM2.5”と言われています。冬から春にかけて偏西風に乗って日本まで運ばれます。かつて、中国が今のように経済発展をする前は、春に運ばれる黄砂は、季節の一現象として見られていました。現在では黄砂とともに有害な大気汚染物質(PM2.5や重金属等)も運ばれてきています。いわゆる「大陸からの越境汚染」です。西ヨーロッパあるいは米国とカナダ等では、すでに40年以上も前に国間の話し合いがつき、その対策が取られています。しかし、日本と中国の間ではこの対応対策が取られていません。今は、両国の間には尖閣(魚釣島)の問題が立ちはだかっており、越境汚染対策について話し合う状況にないのが実際です。さりながら、ネットで”

stop the PM2.5

stop the PM2.5

”のメッセージを中国に送りたいと思います。

真山仁著「黙示」を読んで

TPPへの交渉に合わせて、日本の農業が抱える多様な課題と可能性について、ドキュメンタリータッチで紹介された小説です。以下、読後感について①~⑥に綴ってみましたので紹介します。

  1. 農薬の使用の課題:日本の農業における農薬使用(ここでは稲の害虫であるカメムシ等をピンポイント的に駆除できるとされるネオニコチノイド系農薬を取り上げています)の問題点について、ミツバチ問題にからめて警鐘を鳴らしたものと思われますが、安定した農作物を得るには、農薬使用はやむを得ないのではないかとの視点に立ったものと受け止めました。特に、茶葉は農薬使用が不可欠である点をさらっと触れられている点などから、現段階では日本の農業における農薬使用はやむを得ない。但し、薬は一方で毒にもなりますから、扱を慎重にした上で受け入れられるとの考えが示されているように読み取りました。
  2.  太平洋経済連携協定(TPP:Trans-Pacific Partnership):TPPを意識した日本の農業の強化、すなわち経済産業省が進める農業商工連携、また農林水産省が進める高付加価値産業(第6次産業化)というテーマを、この小説では淡路島プロジェクト(フードバレー)という形でアプローチしたものと読みました。そして、ここでは産業化の柱とする植物工場に加え、遺伝子組み換え作物(GMO)の栽培実験も試みていることが挙げられています。植物工場はともかく、露地物のトウモロコシの味とGMOとの比較で、GMOは飼料目的などの選択的な栽培としてなら受け入れなら可能性があるとの示唆を行っています。ところで、農商工連携と高付加価値産業への取組は、法の整備もありかれこれ5、6年は経っています。そうした中、前者の植物工場については、技術的な進歩に加え、政権交代が行われたことにより加速度がつくのではないかと感じています。
  3. 有機(オーガニック)農法について:米栽培における農薬の必然性的な形で触れている物の、対極と言われる有機(オーガニック)農法について、何ら触れられていなかったのは、うがった見方をすれば、オーガニック農法が産業化を阻むものと見ているのかなと感じました。米国では、すでにオーガニック農法が大規模資本主義農業となんら変わらない道を歩んでいることを、ポール・ロバーツ著「食の終焉」ではふれています。
  4. 済産業省と農水省の位置づけについて:「農商工連携」は経済産業省と農林水産省とが縦割り行政を超えて動いているのが実際のようです。国際競争力を持つ農業の産業化は喫緊の課題であり、急がなければならないと言うのが現実だと、私は感じています。
  5. 厚生労働省と環境省の位置づけについて:農薬問題について、食品の残留農薬では厚生労働省、農用地の土壌汚染の観点からは環境省が管轄となりますが、農商工連携の推進に当って、この両省の存在が抜け落ちているように感じましたが、筆者にはどのような意図があるのか、知りたいものです。
  6. 地球温暖化と農業について:「農商工連携」の推進に当って、植物工場は明らかに閉鎖空間における栽培であることから、露地物と違って土からの温室効果ガス(GHG)等を考慮する必要はない。しかし、植物工場環境の管理には電気エネルギーを多消費することから、GHGの排出量抑制の観点から、どのような取組みが進んでいるのか、考慮すべき課題のように思いました。その意味で、LEDを使った植物工場が、この解決の一助になりうるか、注目すべき点だと考えます。

東北復興支援とカーボン・オフセット

日本国内における地球温暖化対策に向けた政策として、経済産業省が進めてきた「国内クレジット制度」と環境省が進めてきた「オフセット・クレジット(J-VER)制度」があります。2013年4月、これら二つの政策は統合され、「J-クレジット制度」となりました。この制度は当面は、当面、両制度を併用する形で進められることになっています。東京大森ロータリー・クラブの会員である谷は、これまで、後者のJ-VER制度の導入をロータリー・クラブ(RC)の活動の中に取り込むための働きかけを進めてきた結果、以下の1、2の実現にこぎつけました。 続きを読む

ポイント・オブ・ノーリターン

下記に示した図は、アース・ポリシー研究所が発表した1880年から2010までの140年間の地球平均気温の推移です。1880年から1970年までの90年間における気温上昇は0.6℃で、2010年までの40年間で0.3℃、したがって、140年間で0.9℃上昇していることがわかります。特徴は、1970年からの温度上昇が速まってきていることです。この速さで進むと、今世紀末を待たずして2℃に達するだろうと予測されています。多くの自然科学者は、地球温暖化を阻止する限界の温度上昇が2℃と見ており、これを「2℃ターゲット」と呼び、これを超えると引き返すことできない温度上昇の負の連鎖(カーボン・サイクル・フィードバック)が起こると予測しています。これを”ポイント・オブ・ノーリターン”と呼んでいます。

130年で気温上昇が0.9℃

130年で気温上昇が0.9℃

 

ターニングポイントを迎えた植物工場

  1. 2013年4月10日、柏の葉千葉大学農学部圃場にある「株式会社みらい」の植物工場を見学しました。
  2. 406m2敷地、そして建物の中に10段階層になった栽培地で葉物野菜が作れている現場を視察、光源は主に蛍光灯を使用、一部LEDのコナーも見られました。
  3. 日本のおける植物工場はすでに動き出して10数年が経過しているようですが、多くの工場では採算を取るのが難しい状況にあるようです。
  4. 経済産業省、農林水産省の植物工場の事例集(平成21年11月)を拝見して、多くの工場において採算が取れていない報告がされています。年間の生産額が3,000~5,000万円に対して助成金額が1~2億、つまり設備投資ならびに運転コストが生産額とのバランスが取れていないのが実情のようです。
  5. 4/10に見学した植物工場の建設コストは100万/坪、123坪(406m2)の工場でようやく採算分岐点との説明を受けました。この他、ランニングコストとして、償却が30%、電力、肥料等30%、人件費30%を見込む必要があるとのことです。
  6. 私見ですが、植物工場はエネルギー多消費型産業に当たると見ました。省エネルギーの視点で、植物工場の概念を全く考え直す必要があるように思いました。
  7. 加えて、空間利用率を飛躍的に高めることで、生産性を上げることを可能にしたということですが、それだけランニングコストも上がると見るのが自然でしょう。例えば、栽培地を多層(10段を実現)にすることで10倍生産量を高めることが出来たと説を受けました(株式会社みらい)。
  8. 株式会社”みらい”の説明では、2012-13年は、植物工場のターニングポイントにあると説明しがありましたが、それは日本国政府が、農業を産業化することを打ち出したこと、そして、世界第2位の輸出国であるオランダに学べとの考えから、日本を農産物を輸出国にけるとする考え方に、対応したものと思われます。

ファクター10の社会実現に向けチャレンジ!

私たちの地球資源は、BRICSの台頭により、その消費のスピードを加速されています。そして、温室効果ガス(GHG:Green House Gas)による地球温暖化は、すでに引き返せない状況(Point of No Return)に向け進行していると言われています(グラフ参照)。したがって、エネルギーならびに資源の生産性を高めることは、私たちの社会を持続的発展を可能にするために必須の要件です。ドイツのブッパタール研究所が発表したファクター4(エネルギー・資源生産性を75%高めた姿)、そしてファクター10(90%高めた姿)の考え方が明らかにされてから、すでに10数年が経ちます。明らかにそれとわかる商品の誕生を見ています。例えばiPhonやハイブリッドカーなどが、少なくともファクター4の製品と言えます。しかし、世界の実勢はいかがでしょうか、新たな経済振興国の台頭により、個々の商品におけるエネルギー・資源生産性を高めても、追いつけないのが実態と見るべきです。os-labは、ファクター10の社会実現を目指し、関係者と協力し合って活動を推し進めていきます。多くの皆様のご支援をお願いします。