北京の三大名物の一つ「北京咳」について

中国の高官(上層部)は、水から食べ物に至るまで、汚染されていない選りすぐりのものが特別供給(特供という)されているようです。一方、一般市民は、汚染された水や食べ物を口に入れざるを得ません。そういう意味で、一般市民は、政府の高官と比べ食の安全・安心という点で極めて大きな差別を受けていることになります。北京の大気汚染、中国政府は当初、視界の悪いのは霧によるものだと報道していたようですが、北京の米国大使館が独自に観測していたPM2.5の値を発表したものですから、一気にPM2.5による汚染問題に火が付いた格好になっています。特に、1月の26日間で、驚異的な観測値(最高値で700μg/m3以上)を記録しています。この深刻な大気汚染が原因で、北京市民の多くが気管支疾患を訴えるようになり、これが北京咳」と呼ばれ、北京の三大名物の一つに数えられるようになりました。ちなみに、残りの二大名物は「京劇」と「北京ダック」です。中国通の皆さんなら、中国人がブラックユーモアを好むのはお分かりと思います。

ところで、北京は深刻な大気汚染に見舞われています。でも、さすがに特供できない空気が汚染されていることに対して、北京市民はめげずに「これでわれわれが習近平や李克強といった最高指導者と平等になった」と、冗談を言っていると呉軍華氏(週刊ダ週刊ダイヤモンド2013/04/13)は紹介しています。さらに、呉氏は、深刻化する環境破壊に対する人々の怒りと無力感が漂う一方、習近平・李克強指導部への強い期待が感じ取れるとも書いています。なお、中国の石炭消費量は、世界の46%(34.5億トン/2011年)を占めています。2008年までは石炭の輸出国であったの中国が、09年から輸入国に変わり、輸入量も12年には2.9億トンと急増しています。エネルギーの70%以上を石炭に依存している中国の大気汚染問題、短期的に解決することは極めて難しそうです。一日も早く日中関係の改善を図り、日本が誇る公害防止技術とノウハウで中国の環境改善を図ることを願うばかりです。

 

On the 08/04/2013 BS documentary WAVE of “China’s fight with PM2.5“

The PM2.5 problem in Beijing has started drawing public attention since the US embassy in China introduced the actual pollution condition on internet in the fall of 2012.  In response, the Beijing government started PM2.5 air quality monitoring at 35 sites over the city in January 2013.  In addition, the environmental standard is announced in the form of 6 levels of the air quality index (API) for PM2.5.  This API- based standard will be enforced throughout the entire China in 2016.  The cleanest level is displayed in “green” color, whose API ranges from 0 to 50 and the corresponding concentration is 0-35μg/m3 in daily average.  The dirtiest level is displayed in “reddish brown”, meaning very severe air pollution.  The corresponding values are 301-500 in API and 250-500 μg/m3 in concentration.  The medium level is displayed in “red” color with the corresponding values of 151-200 in API and 115-150μg/m3 in concentration.

The above API designation method is based on Air Quality Index which has long been used in the US.  China’s interpretation for health implication, however, is relaxed in daily average PM2.5 concentration, despite the fact of using the same API value.  The “red” color in China indicates “moderate pollution” while in the US it does “hazardous to health” which is more explicit for the health effect.  Both countries use similar description for API’s health implications.  China’s description tends to be more modest.  For example, the corresponding PM2.5 concentration for “red” is 115-150 μg/m3 in China while in the US it is 65-150 μg/m3.  The lower limit is obviously more severe in the US.  This API display has a merit in that it can be displayed spatially over the map.  For me, however, the real time display of hourly measured concentrations at 35 air monitoring stations over the city appears more informative for the citizens to take a precautionary measure against the air pollution.

This documentary program tells that PM2.5 air pollution is not limited to winter time and is pretty severe in summer time as well.  The program showed that on July 19, 2013, the number of monitoring stations exceeded 150 in API is 32 out of 35 stations in the city, amounting 91% of the stations.  The program was made from the jointly collected material by NGO entitled “Darwin Environmental Protection Laboratory” and China National TV.  The NGO spokesman, Ms. He, (Ph.D. in Environmental Science, Beijing University) says that 600 million people accounting for 46% of China’s population are already subjected to some health hazard from PM2.5 pollution.  The particularly polluted regions are Beijing and its surrounding area (Hebei Province, City of Tianjin), Yangtze River delta, and Zhu Jiang delta.  These three regions account for one forth of the whole China.

In the above program, Ms. He visited many polluted locations and conducted a simplified measurement.  It was impressive that her measurement indicated 184 μg/m3 near a power plant, while in construction site and in residential area, the measurement did 275 and 237 μg/m3, respectively.  These values exhibit vividly that “medium pollution” and “severe pollution” in API prevailed.  The emission sources of PM2.5 are said to be brick factory, numerous barbecue stands in the city, and residential coal burning in the city suburbs.  The program broadcasted the picture of her surprised moment when her measurement instrument recorded 2000 μg/m3 right next to a barbecue stand.  In the relatively poor homes in the suburbs still use high sulfur coal for the heating source of cooking and space heating.  This means that they are exposed to sulfur dioxide as well as PM2.5, implying the health hazard from both pollutants.

As to brick factories, 169 factories were forced to close in one week and the people worked there lost their jobs, creating a new social problem.  Ms. He was pleading that the air pollution is extremely bad as exemplified by the many hazy days in summer.  In responding to these pollution conditions, the China’s central government announced the allocation of 5 trillion Yen equivalent, 30% reduction of major facilities burning coal by the end of 2014, and strengthening the exposure of illegal operation of factories by the year 2015, which will lead to the closure of as many as 1200 factories.

The documentary program also reported that the Beijing government set up a pollution call center and handled the gripes from the citizens, and that the song “Beijing-Beijing” was arranged to a smog parody which is sang widely as the song appealing the prevailing predicament of Beijing smog.

In the future, I would like to challenge the institutional difference in handling the environmental problems between China and Japan, focusing such issues of the crime and the lawsuit in environmental pollution, and the compensation for health impairment.

Translated into English by Ph.D. Y. Horie of  the Green Blue Corporation’s Adviser

毛糸のカギ針編み珊瑚礁と地球温暖化への取組み

マーガレット・ワーサイム(Margaret Wertheim)のTED (Technical Entertainment Design)プレゼンテーションを見て

珊瑚と かぎ針編みに見る美しき数学の世界(The beautiful math of coral)の概要:自然界で見られる“ひだ”、例えば珊瑚の複雑な形状や野菜のレタス等の“ひだ”のような曲線について、数学的(ユークリッド幾何学一般相対性理論)に解き明かすことが極めて難しい。これを見事に作り出すことを可能にしたのが“カギ針編み”で、これに注目し、様々な珊瑚礁を再現することを妹とともに3年前半(2009年を起点)から始めた。これら成果を関係者に紹介したところ、シカゴの“アンディーウォーホル美術館”が280m2(84坪)の空間を提供するので、カギ針編みの珊瑚礁を展示してはとのオファーがあった。テーマは、「地球温暖化とサンゴ礁」で、二つ返事で受け入れたが、84坪もの空間をカギ針編みの珊瑚礁で埋め尽くすことが如何に大変な作業であるか、妹から厳しく言われたものの、チャレンジすることを決めた。周知の通り、珊瑚は海水温が高くなると白化して死滅してしまう。赤、青、黄色と鮮やかな珊瑚に加え、白くなった珊瑚もカギ針編みで制作した。本プロジェクトは、多くの人々の協力のもと実現した。本TEDプレゼンテーションフィルムは、2009年2月リリースされたもので、マーガレット姉妹がカギ針編みで珊瑚作り始めた時期は、丁度、アル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」(2007年7月)が発表された時期と重なる。その意味で、地球温暖化への関心が極めて高かった背景もあったように思われるが、それにしても科学者(数学者)であるマーガレット・ワーサイム氏の取組みは、極めてユニークな取組みであると感じた。

ホームページ制作を通し実感したICTとキュレーションについて

谷は、自称プロボノと称して、自分でハンドリングできるホームページ(Web)サイト“OS-lab.info/”を、2012年9月に立ち上げました。このホームページ制作に使用したアプリケーション・ソフトウエアは、Just Systemsのホームページビルダー17にコンテンツ・マネジメントシステム(CMS)ならびにブログソフトウエアであるWord pressが追加機能されたものを使用しました。Just Systemsのホームページビルダーには、2012年11月より、サイトへの集客支援サービスシステムである「コックピット」機能が追加されたことにより、プラットホームとしての機能が強化されています。したがって、Face book やTwitterとのリンクが容易で極めて使い勝手の良いICTを実感させるものになっています。例えば、Word pressでブログを書き込むと、それをtwitterでツイートできますし、同時にFace bookサイトにブログをシェアすることもできます。

OS-lab.info/サイトを立ち上げてから、10カ月が経過していますが、サイトを覗きに来ている人の数やサイトの持つ性格、さらにはSEO(Search Engine Optimization:ページの表示順位や利用率の指標)のレベルやWebサイトとしての価値(価格)などについて、Domain Sigma comやStatsCrop.com/www等のWebsサイトが分析し、それを公開してくれています。つまりホームページのバリューを客観的に示してくれている訳です。したがって、ホームページの作り込み(コンテンツ)はもとより、Face book やtwitterなどのリンクが極めて大切でることが実感できます。つまり、ITCの醍醐味をホームページ制作と運用・管理を行うことで味わうことができる訳です。ちなみにOS-lab.info/サイトのSEOのスコアは、StatsCrop.com/wwwの分析値は65%と表示されています。

いうなれば、Just SystemsのホームビルダーのコックピットサービスならびにWord pressを使うことによって、様々なWebサイトがサイト分析をすることで、「キュレーション」してくれるキュレーターの役割を担ってくれるという訳です。こうしたことがネット上で実現できたのは、前述した「セマンティック・ウエッブ」(セマンティックボーターをブレークスルーしたシステム)や「ウルフラム・アルファ」の登場によって可能になりました。

そして、キュレーターとは、ICTの世界では、情報を収集・選別・意味づけ、共有することその行為者の意味であると紹介されています。

時代はSNSです。Lynda Gratton著「ワークシフト」の中に、2025年には50億人がインターネットで繋がっている。現在、1人のTV視聴時間が週平均20時間、一人が仮に1時間TVを見る時間を減らせるならば、全世界で90億時間の「余剰時間」が作られ、この時間をネットで使うことによって、とんでもない集積価値を生み出すであろうと説明しています。

OS-labは、極めて小さな組織です。谷は、自称プロボノを掲げて、巨大なWorld Wide Webの世界に小舟で乗り出し、小さな船(Webサイト)でも月に1,200人もの人達が覗きに来てくれていいます。小さな組織であろうと、社会貢献している実績をWebサイトという船に載せ、World Wide Webという巨大な海に送り出す。これがICT活用の醍醐味であろうと、私は考えます。

 

「中国PM2.5と戦う」(8月4日BSドキュメンタリーWAVEから)

北京市のPM2.5が注目されたのは、2012年秋に米国大使館がその実態をネットで紹介してからだと言われています[1]。これを受けて北京市は、翌年の2013年1月には市内35地点でPM2.5のモニタリングを開始しました。また、環境基準についても6段階の大気質指数の形で発表が行われています(中国全土に施行されるのは2016年予定)。ちなみに、最も清浄なレベルとされる指数の類別は「優」で、大気質指数が0~50、PM2.5の濃度範囲では0~35㎍/m3(日平均)に相当し、「緑」色で表示されます。最も汚染レベルが高い状態は類別では「厳重汚染」と表記され、大気質指数は301~500で、PM2.5の濃度は250~500㎍/m3(日平均)、色の表示は「赤褐色」となっています。「赤色」は指数の類別で「中度汚染」され、指数は151~200で、PM2.5の濃度は115~150㎍/m3(日平均)となっています[2]

この大気質指数の表示手法は、米国のAir Quality Index(AQI)に準拠したもので、指数値は同じでも中国の方がPM2.5の日平均値は緩く設定され、指数の種別の色は同じ「赤色」でも、中国では「中度汚染」と表現されているのに対して、米国では「健康に悪影響」と具体的に人への影響が分かるように記されています。なお、当該指数の健康影響の説明については、両国でほぼ類似していますが、中国の方の記述はどちらかと言えば少し控えめになっています。ちなみに、指数の種別が「赤色」のPM2.5日平均濃度は、中国が115~150㎍/m3に対して、米国では65~150㎍/m3となっており、下限値は明らかに米国の基準の方が厳しいことが分かります。指数表示は、地図上に汚染レベルを面的に表示できるという点でメリットはありますが、北京市35監視地点の1時間測定値データをリアルタイムで通知する方が、市民が汚染に対する予防措置を取る上で、優れているように私は考えます。

本ドキュメンタリー番組は、PM2.5による汚染が冬場に限らず夏場においても深刻な問題であることを指摘したものとなっています。番組では、北京市で2013年7月19日にPM2.5の大気質指数150を超えた監測地点が、35地点のうち91%の32地点であったことが紹介されていました。番組は、北京市にあるNGO「ダーウイン環境保護研究所」と中国国営TVとの協同取材で制作されたもので、NGOの責任者である赫女史(北京大学環境科学工学博士)は、中国国民の46%に当たる6億人がすでにPM2.5の何らかの影響を受けていると説明していました。特に汚染が厳しい地域は、北京とその周辺地域(河北省、天津市)、長江デルタ地帯、そして珠江デルタ地帯の3地域で、汚染は中国全土の1/4に及んでいるようです。番組では、赫女史自らハンディータイプのPM2.5デジタル粉じん計を肩に掛け、いろいろな汚染現場に出向き、簡易測定を行っている様子が映し出されていました。ある火力発電所の周辺では184㎍/m3の値を示し、また工事現場や住宅地においては275、237㎍/m3を記録したと報じ、大気質指数で「中度汚染」、「重度汚染」の状況にあることが赤裸々に紹介されていたのが印象的でした。なお、PM2.5の汚染源としては、煉瓦工場と街中で営業している焼き肉の屋台、そして北京市郊外の民家が使用する石炭燃料を取り上げていましたが、屋台の傍らで簡易測定を行った際に、計器が2,000㎍/m3をカウントしたことに、赫女史が驚いた様子を映し出していました。郊外の比較的貧しい家庭では、炊事や暖房の熱源として硫黄分を多く含んだ石炭を未だに使用しており、PM2.5のみならず亜硫酸ガス(SO2)による健康被害も心配されます。

なお、煉瓦工場については、1週間で169工場が強制的に閉鎖させられ、そこで働いていた人の失業が、新たな社会問題として取り上げられていました。赫女史は、夏でも霞がかかった状態の日が多く観察され、大気汚染が極めて深刻であることを訴えていました。こうした現状に鑑み、中国政府は汚染対策費として5兆円規模の予算投入を発表。2014年末までに石炭を利用している重要発生源の30%を削減することや、2015年までには工場の違法操業の摘発強化とともに、1,200の工場を閉鎖するとしています。

この他、本ドキュメンタリーでは、北京市が公害コールセンターを設け、市民からの苦情対応に当たっている様子や、中国で流行っている歌、「北京北京」の替え歌の“スモッグバージョン[3]”が、北京スモッグの現状を訴える歌として広く歌われていることなども紹介されていました。以下に、替え歌の3番の中国語歌詞と私のつたない意訳を記しましたので、参照ください。北京北京の替え歌130811

今後は、日本が体験した「公害犯罪」や「公害訴訟」、また「健康被害補償法」等の面から、中国と日本の環境問題への取組に対する制度的な格差などについて、挑戦してみたいと考えています。


[1] http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0204&f=national_0204_008.shtml

ICT(Information & Communication Technology)とキュレーション時代

  1. はじめに:2013年の今日、私たちは介護ロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)[1]を使って、人や重いものを軽々と持ち運べるようになったように、インフォメーションとコミュニケーション・テクノロジー(ICT:Information and Communication Technology)のおかげで、マニュアルでは膨大な時間を掛けても処理できなかった大量のデータ(数値情報のみならず文字情報等)も、簡単に短時間で処理し、目的の答えを見出すだけにとどまらず、新たな情報価値を生み出すことが可能となりました。私たちが、そうしたICTの世界に生きていることについて、改めて実感するために、谷の目線で実践できる範囲で挑戦し、把握し得たいくつかの知見について、以下に紹介します。
  2. ソシアルネットワーキング(SNS)の現状について:今日、SNSにはFace book、Homepage、Blog、YouTube 、Twitter、MySpace、LinkedIn、Minihp(ミニホムピ)[2]mixiGREEMobageAmebaGoogle+等、目的に応じて様々なインターネットサービスが存在しています。これらサービスの活用レベル(コンテンツ)を米国の例で見ると、2005年には10億のウエッブ(Web)ページと7,000万のWebサイトがあったのが、2007年の時点で、全世界では300億Webページにも達しています。具体的にどれだけの情報量がネット上で動いているのか、Face bookを例に見ると、2009年で毎週2億2,000万点の新しい写真が投稿されており、You tubeに至っては、2009年の2ヶ月間で、米国の1948年以降にテレビ放映された番組の放映数を上回っています。一方、それぞれのサイトの訪問者数を2010年で見ると、Face bookが5億4千万人以上、YouTubeが4億2,500万人、MySpaceが7,300万人、LinkedInが3,800万人、Twitterが9,700万人を数えています[3]。これらはリンダ・グラットン(Lynda Gratton)[4]著「ワークシフト」[5]から引用したものですが、2013年の今日、ムーアの法則がこの分野にも適用できると考えれば、World Wide Webの世界はさらに巨大化していることは明らかです。
  3. 膨大なデータ処理を可能にしたシステム:ウエッブ上の膨大な文章情報の意味を扱うシステムに「セマンティック・ウエッブ」(semantic web)[6]があります。通常、World Wide Web(www)上のコンテンツは、ハイパーテキスト マークアップ ランゲージ(Hyper Text Markup Language:HTML)で書かれています。この言語の限界性は、センテンスの構造を伝えることはできますが、単語あるいは文章の詳細な意味を伝えることが出来ません。これを可能にしたのが「セマンティック・ウエッブ」{データの意味や構造を記述するためのマークアップ言語XML(Extensible Markup Language)[7]で、文章にタグを付ける技術}で、タグが付けられた文章を形式化し、これによってコンピューターによる情報の収集や分析が可能となりました。これに“質問応答システム”である「ウルフラム・アルファ」[8]が加わることで、大量情報のWebから素早く目的の回答を得ることが可能となりました。先に挙げたSNSの世界の広がりは、こうしたシステム技術開発があって初めて可能となりました。しかも、これらのシステムはオープンソースのもとに開発が進められており、wwwの世界でユーザーが作りだした典型的なコンテンツが、オンライン百科事典「ウキペディア」(Wikipedia)だと言われています3。つまり、今日のICTは、インターネット上で桁違いの多くの人々が参加することで、ウキペディアのような新たな集積価値(様々なオープンソフトウエアもこの分類に入る)を作り出す、人類のパワーツールと言うことができます。
  4.  ホームページ制作を通し実感したICTとキュレーションについて:谷は、自称プロボノと称して、自分でハンドリングできるホームページ(Web)サイト“OS-lab.info/”を、2012年9月に立ち上げました。このホームページ制作に使用したアプリケーション・ソフトウエアは、Just Systemsのホームページビルダー17にコンテンツ・マネジメントシステム(CMS)ならびにブログソフトウエアであるWord press[9]が追加機能されたものを使用しました。Just Systemsのホームページビルダーには、2012年11月より、サイトへの集客支援サービスシステムである「コックピット」[10]機能が追加されたことにより、プラットホームとしての機能が強化されています。したがって、Face book やTwitterとのリンクが容易で極めて使い勝手の良いICTを実感させるものになっています。例えば、Word pressでブログを書き込むと、それをtwitterでツイートできますし、同時にFace bookサイトにブログをシェアすることもできます。OS-lab.info/サイトを立ち上げてから、10カ月が経過していますが、サイトを覗きに来ている人の数やサイトの持つ性格、さらにはSEO(Search Engine Optimization:ページの表示順位や利用率の指標)のレベルやWebサイトとしての価値(価格)などについて、Domain Sigma comやStatsCrop.com/www等のWebsサイトが分析し、それを公開してくれています。つまりホームページのバリューを客観的に示してくれている訳です。したがって、ホームページの作り込み(コンテンツ)はもとより、Face book やtwitterなどのリンクが極めて大切でることが実感できます。つまり、ITCの醍醐味をホームページ制作と運用・管理を行うことで味わうことができる訳です。ちなみにOS-lab.info/サイトのSEOのスコアは、StatsCrop.com/wwwの分析値は65%と表示されています。いうなれば、Just SystemsのホームビルダーのコックピットサービスならびにWord pressを使うことによって、様々なWebサイトがサイト分析をすることで、「キュレーション」[11]してくれるキュレーターの役割を担ってくれるという訳です。こうしたことがネット上で実現できたのは、前述した「セマンティック・ウエッブ」(セマンティックボーターをブレークスルーしたシステム)や「ウルフラム・アルファ」の登場によって可能になりました。そして、キュレーター[12]とは、ICTの世界では、情報を収集・選別・意味づけ、共有することその行為者の意味であると紹介されています。時代はSNSです。Lynda Gratton著「ワークシフト」の中に、2025年には50億人がインターネットで繋がっている。現在、1人のTV視聴時間が週平均20時間、一人が仮に1時間TVを見る時間を減らせるならば、全世界で90億時間の「余剰時間」が作られ、この時間をネットで使うことによって、とんでもない集積価値を生み出すであろうと説明しています。OS-labは、極めて小さな組織です。谷は、自称プロボノを掲げて、巨大なWorld Wide Webの世界に小舟で乗り出し、小さな船(Webサイト)でも月に1,200人もの人達が覗きに来てくれていいます。小さな組織であろうと、社会貢献している実績をWebサイトという船に載せ、World Wide Webという巨大な海に送り出す。これがICT活用の醍醐味であろうと、私は考えます。

[3] Lynda Gratton著「ワークシフト」p.183より

[12]「★キュレーション時代の幕開け」 2011/02/17  agoria@agoria.jp