地球温暖化による異常気象現象にもっと関心を!

“ハリケーン・モンスター”(台風30号)がフィリピンレイテ島に上陸し、甚大な被害をもたらしました。米国のabc放送は、この台風を「モンスター」と表現したようです。何しろ瞬間風速は未だかつて経験のない90m/secに達し、風で吹き飛ばされ家屋や木々、加えて4mの高潮が押し寄せ、町や村の家屋を押し流しました。被災現場は、TVで拝見する限り、まさに日本における3.11の再来のような様相で、極めて強いショックを覚えたのは、私だけではなかったと思います。日本と違って発展途上国という経済的に弱い国における自然災害は、地域社会の仕組が不安定であることから、略奪や暴行など治安の悪化が表面化し、見たくない光景を見ることになってしまいました。国際的な効果的支援とは、シリアのような内戦がおこっているのではなのですから、見たくない光景の前に支援の手を差し伸べる手立てはなかったのか、考えさせられた災害の実態でした。

おりしも、「気候変動に関する政府間パネル」の会合CO19がポーランドで開催(2103/11/11)される直前に起こった災害でした。涙ながらに支援を訴えていたフィリピン人の姿は、印象的でした。このことが、地球温暖化阻止に向けた強いメッセージになったと、期待したいものです。日本のこの1年を振り返っても、5月に四国から始まった「猛暑」、その後、いたる所でかつて経験しなかった豪雨、突風、竜巻、巨大台風、こうしたことを踏まえ、日本の気象庁は過去に経験したことのない異常気象現象に対して、直ちに避難を求めるメッセージとして「特別警報」を新設しました。そうした矢先、伊豆大島に台風26号が直撃、24時間のうちに824㎜という豪雨が襲いました。明らかに「特部警報」が運用されるべき「これまでにない豪雨」であったにもかかわらず、この警報は使用されず大きなダメージを受けてしまいました。島という特別な地域であったが故に、「特別警報」を発令するに至らなかったと説明されていましが、どうも腑に落ちません。最後は人が決めることですが、意思決定者が意思決定をするに相応しい場所に居なかったことが、適切な判断を下せなかったために「特別警報」を出せなかったことから、人災の臭いも致します。所詮ルールは人が使うのですから、今回は、それが活かされなかった事例として、一つの教訓となった災害だったようにも思います。

ところで、824㎜/24hrの雨量がどれだけすごかったのか、現場を見れば一目瞭然ですが、頭の中で検証してみるのも意味があると思い、計算をしてみました。伊豆大島の面積は、約91㎞2です。この島に満遍なく824㎜(0.824m)の雨が降ったと想定します。そして、島を9.5㎞×9.5mの正方形の島だと仮定し、0.824m雨がどれだけの量になるか計算すると、9500m×9500m×0.824m=74,366,000m3となります。水1m3は1トンに相当しますから、24時間でおよそ7,440万トンの雨が降ったことになります。分かりやすくするために、20万トンのタンカー に換算すると372隻分の雨が24時間で、伊豆大島に降り注いだことになります。これでも実感がわかないでしょうが。およそ想像を絶する雨が降ったことは間違いないことで、その結果、山津波が発生したということでしょうか。

最近、地震については、より厳しいシミュレーションデータが公表され、その被害の甚大さを予測しています。一方、地球温暖化につては、IPCCの第5次評価報告書で、第4次報告書より一歩踏み込んだ、人為的要因の可能性を95%以上と発表しています。

今一度、この2013年の1年間を振り返ってみましょう。地球温暖化が原因と見られる異常気象現象(豪雨、猛暑、突風ならびに竜巻、そして巨大化した台風等)は、過去に類例を視ない頻度で発生しています。フィリピンのレイテ島に直撃した台風30号は11月8日でした。その後10日には日本列島でも東北地方で低気圧の発達により、大雨や突風が吹き荒れ、大きな被害が出ています。

TPPの交渉参加により、日本政府は新しい競争力のある農業経営の在り方や、また、農業の近代化に力を注ごうとしていますが、地球温暖化に伴う異常気象に対する取り組みについては、せいぜい気象庁の警戒警報の文言に「特別警報」が追加されたくらいで、頻発する異常気象と強大化するそれぞれの事象に対処するための対策が検討されているようには思われません。これは、大いに危惧するところです。日本政府は、レジリエンス(Resilience)を国家目標に掲げています。もともと自然の分野で使われている言葉のようでが、その意味は「強靭化」「復元力」といった意味を持つようです。気象庁が発表した「特別警報」だけでは、如何にも地球温暖化を意識したとは言えないのではないでしょうか。「特別警報」の発令は、直ちに避難行動をとるとの説明がありますが、高齢化社会を迎えた状況は、このことを難しくしています。お粗末なレジリエンス構想のようにしか感じられません。これでは、国家として無責任であると考えるのは、私だけでしょうか。3.11の教訓をもとに、新たな都市作り、特にスマートグリッドなどは、様々なインフラ条件が整っている都市再生を意識したテーマは豊富ですが、森林(山)、里山、河川、水田地帯、沿岸部等におけるレジリエンスは、意識されていないように思われてなりません。

アル・ゴア元米国副大統領が「不都合の真実」を発表したのは、今から7年目の2006年です。そしてIPCCが第4次評価報告書発表したのが翌年の2007年、同報告書には「明らかに地球温暖化は人為的な要素によってもたらされている可能性が大きい」と説明されています。これで、科学的評価報告を出したIPCCとアル・ゴア元米国大統領は、地球温暖化問題で2007年のノーベル平和賞を受賞しています。ゴア氏のプレゼンテーションでは、今日起こっている様々な異常気象現象を巧みに発表しています。世界の科学者が認めた「不都合の真実」から7年経ちました。状況は改善されたでしょうか、実態は改善されるどころか、全球の二酸化炭素の量は着実に増え続けています。2013年5月には、ハワイのマウナロア観測所でCO2濃度が400ppmを記録したと報じられました。ちなみに産業革命(18世紀)以前の大気中のCO2濃度は260ppm程度でした。

私たちは、地球温暖化による異常気象について、強く関心を持ち、温室効果ガス(GHG)の削減はもとより、異常気象によるダメージを可能な限り低く抑える方策を急ぎ見出す必要があります。そのための行動を直ちに起こす時代が到来したと考えるべきです。

建立谷學的希望和夢中国的諸位、対一起幸福的世界吧!

東北楽天ゴールデンイーグルスの優勝/「Resilient」を掲げ米国WSで優勝したレッドソックス/日本の安倍政権が掲げる強靭化国家「resilience」について:

日本野球の今シーズンは、東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズを制し優勝、復興途中の東北地域の人々に多大な喜びと勇気を与えました。スポーツの力が、こんなにも人々の心に強く訴えかけるものなのか、改めて強く感じた次第です。私は、楽天のファンではありませんが、田中将大投手の頑張りと大記録には、正直、感服いたしました。なお、楽天を優勝に導いたのは、優れた選手陣もさることながら、フロント陣の貢献、名将星野監督は別格として、特に球団社長である立花陽三氏がクローズアップされたのが印象的でした。同氏はラグビー界の人間だったようですが、米国野球界の名門ヤンキースから“ジョーンズ選手”(ホームランバッター)をスカウトし、楽天の4番バッターに据えたことが、楽天を大きく優勝に導いたと紹介されていました。監督やコーチを除いたフロント陣に対して、光が当てられたことはこれまでにない珍しい出来事だったように思います。一方、野球の本拠地米国では、ワールドシリーズ(WS)を制したのは、ボストン・レッドソックスでした。オーナーはジョン・ヘンリー(相場師として金持ちになり、チームを所有したと紹介されている)と言い、前年最下位のレッドソックスを立て直すために、目標に「resilient」(強靭化や回復すると言った意味)掲げ、それを見事に果たしました。その立役者の中に日本人の田沢や上原選手が入っていたことは、また嬉しいニュースでした。

さて、日本の安倍政権は、強靭化(resilience)を国家目標に掲げ昨年の12月にスタートし、かれこれ1年近くになろうとしています。楽天やレッドソックスのように華々しい成果はありませが、株価等を考えると少なくとも民主党政権よりはましな滑り出しを見せているように思います。しかし、行く手には高いハードルが待ち受けています。何しろこの国は、約1,000兆円(一人当たり約780万円)と言う巨額な借金を抱えており、財政的に極めて厳しい国家運営が強いられています。1年や2年で一気に回復するといった訳には参りません。幸い、9月に2020年の東京オリンピック招致が決定しました。7年後ですが、それまではオリンピック景気に沸く機会に恵まれることを考えると、少しは借金の改善が図られるのではないか、そう期待しています。仮に安倍政権が10年間続き、その過程でのレジリエンスを考えた時、オリンピックは強力な事業案件であることは間違いありません。日本は、第二次世界大戦後、目覚ましい経済発展を遂げ、一時は「東洋の奇跡」と呼ばれていた時期があります。ここで、申し上げておきたい点があります。2013年10月10日、日本で「水俣条約」が採択されました。目覚ましい経済発展の過程で引き起こした痛ましい人災(公害)に対して、57年の歳月が経って、ようやく世界規模で水銀規制の合意を見ました。日本のレジリエンスのいま一つの機会は、お隣中国の環境汚染問題と、経済格差是正に、支援の手を差し伸べることです。これが果たせるならは、アジアは世界で最も豊かで、安全・安心な国家群に生まれ変わる可能性が出てきます。人命を大切にするアジア国家群の形成に、日本が一役も二役も買う。これが次代の求めている姿だと私は考えます。